12Rで決勝が行われ、古性優作(32=大阪)が番手から抜け出して、大会連覇を飾った。

祝福する大歓声を受けて、古性は万感の思いが込み上げてきた。「勝手に感情が上がってきました」。昨年、人さし指を突き上げて優勝をアピールした男は、静かにゴール後の周回を重ねていた。表彰式まで残ってくれたファンの声に、あふれる涙が止まらなかった。「初日にお客さんに迷惑をかけてしまい、申し訳なかったです。最後に優勝できて良かった」と、声を絞り出した。

高知全日本選抜に続き、今年G1は2冠目。宮記念杯では、史上9人目の連覇に加えて、初戦落車(8着)からの4連勝で、300勝の節目も決めた。検車場裏の駐車場では、コロナ禍で禁じられていた胴上げで3度、宙を舞った。「今回優勝できたのは、脇本さんと稲川さんのおかげ。それに、精神的な強さを、自分でも感じた」と語ると「まだまだ、頑張れるかな」と、うれしそうに笑った。

記録、記憶、何より古性にとって、今後の競輪人生にも深く刻まれたのは、間違いない。