脇本雄太(27=福井)が、稲垣裕之の優勝に大きく貢献する赤板ガマシをさく裂させた。レースに同乗した誰もが「ものすごいスピード」「かかっていた」と絶賛したほどだ。

 脇本は「今日の勝負どころはあそこしか考えていなかった。古性のイン切りがあっても、自分のタイミングでしか踏まないと決めていたので。あれで深谷が下げてくれたのが大きかったですね」と口を開いた。

 結果は9着。だが、決して、発進役ではなかった。「僕も4角まで勝負になることが前提だったので。そう言ったら村上さんも稲垣さんも言葉をかけなかった。信頼してくれているし、その信頼の分まで前で頑張ろうと。4角勝負できるというペースで駆けたし、本当はゴール前勝負できれば良かったけど、僕の中で目標はクリアできた」。表情は淡々と、時に悔しさすらにじませていた。別線が抵抗できないほどのワッキーの逃げ。G1タイトルは確実に近づいている。