【中野公博・福腹スペシャル】

◆10R:準決 新時代の波に乗り遅れない。20代ラストイヤーの松本貴治が、「今年G1を取る」と、高らかに宣言した。

19年にヤンググランプリを制し、輝かしい未来は約束されたと思われた。ただ、21年G1オールスターで悪夢が襲った。誘導員早期追い抜きにより、長期間の戦線離脱。どん底を味わった。その間に若手が台頭。犬伏湧也らが大きく飛躍し、存在感が薄くなった。

それでも、腐らずにこつこつ力を蓄えた。ようやく日の目を見たのが今年のオールスター。ついにG1ファイナリスト(8着)となった。

2予B・8Rは、犬伏とオールスター決勝以来の連係だった。オールスターでは「全然、戦えなかった」と犬伏に付いていくこともできずに終わった。今回は違った。番手で好判断も光り、最後は犬伏を差した。「いい状態。キャリアハイに来ています」。

今年は真杉匠、山口拳矢が新たなタイトルホルダーになり、来年のS班は勢力図が塗り替えられる。「20代の活躍は意識しています。自分もそこ(S班)に。もちろん、今年G1を取って」。

機は熟した。準決10Rは古性優作、新山響平ら歴戦の猛者が集まった。山口の後位は空いていたが、見向きもしなかった。「他地区に付くことは今後あるかもしれない。でも、今ではない。自力がないと、後ろに付いても何もできないので」と、自力を決意した。

乗るだけだったオールスターの決勝。今度はファイナルで勝負する。そのために、準決は通過点。逃げる北日本勢の4番手からまくる。(7)-(1)(9)(4)(3)-全の計28点。

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