混戦を抜け出して東口善朋(38=和歌山)が地元で悲願のG3初制覇を飾った。地元勢の和歌山G3優勝は82年10月の33周年(3日制後節)の金谷和貞(45期=引退)以来。

 レースは打鐘から横山尚則-武田豊樹が先行。郡司浩平に押さえ込まれていた南潤がこじ開けて1角から踏むが、2角から三谷竜生が先に仕掛ける。3角では武田(失格)が三谷を厳しくブロック。このあおりで南が落車(再入、けがは左ひざをひねる軽傷)したが、マークしていた東口が俊敏に内を突いて抜け出した。

 東口は今回で地元G35回目の決勝進出。調子がいいときにも勝てず、気持ちが折れかかったこともあった。昨年末の平塚決勝の落車で決して状態は良くなかったが「1走ごとに調子も上昇。気持ちも入りました」と優勝をたぐり寄せた。

 スーパールーキーと評判の後輩南の出現に刺激を受け、「今までは出場するだけだったので、G1でもっと上を目指したい」と今後の活躍を誓った。【江崎禎紀】