G2ということで、検車場は選手と報道陣の活気に満ちあふれ、明日からも続く無観客レースを感じさせない前検日だった。

ヤマコウは特選11Rで岩本俊介に展開が向くとみた

特選11Rで野口裕史の番手を回る岩本俊介を取材した。岩本は前回の玉野G3最終日、先行で売り出し中の皿屋豊を相手に堂々と受けて立ち、見事逃げ切って1着を取った。「押さえ先行ができるようになって戦法の幅が広がり、余裕を持てるようになったことが大きい」と近況を振り返る。レースは主導権を取ろうとする皿屋の上をカマしたのだが、確かに余裕を感じるレース運びだった。

岩本が野口の番手を回るのは、それなりの意味があると思う。岩本以上の積極性が普段のレースからうかがえることだ。次に「自分がどうしたいか」という強い意志。この2つがないと岩本は、同県というだけでは後ろを回らないだろう。岩本は「ヤングGPの野口さん（111期だが岩本が1つ年下、ややこしい）はすごかった。ああいう姿勢の選手に『前でやらせてください』と言われると『分かった』と言うしかないじゃないですか」と明かした。

本格先行の野口相手に、小松崎大地、太田竜馬、ましてや単騎の中井太祐では隙を突いた先行しかできない。確固たる意志を持って走るのは野口だけだ。小松崎は1番車に佐藤慎太郎がいるので、南関の4番手を狙うレースができる。太田は前受けから主導権を狙うタイプなので、前を取ると後方に置かれるリスクが高い。野口を追う岩本に展開が向くと思う。（日刊スポーツ評論家）