スタールビー賞は東口善朋が制した。稲川翔が深谷知広と踏み合ったところを新田祐大が単騎でカマした。南修二が新田を追って、足をためた東口が伸びた。チャンスをものにした東口はさすがだった。喜びを抑えたインタビューは、コツコツ頑張っている東口の人柄が出てほほ笑ましかった。

岐阜で13年ぶりのG1開催で、準決11Rは深谷と浅井康太が並ぶ粋な番組になった。深谷が静岡に移籍するまで、2人は中部を代表するタッグだった。

そんな番組が発表されたのに、私はそれを知らず浅井に声をかけ、2予の話しか聞かなかった。そして番組を見ると、2人がラインを組むではないか! 「浅井、それ言えよ」と思いながら探しても、見当たらない。浅井もわざわざ言うことでもないと思ったのかな…。


ヤマコウは深谷知広とタッグを組む浅井康太に期待
ヤマコウは深谷知広とタッグを組む浅井康太に期待

落車が続く浅井も準決に勝ち上がったことで、安堵(あんど)の気持ちがあるだろう。前検日に「闘志がなくなったら引退する時」と、気持ちは切れていないと話した。2予7Rで脇本雄太の8番手ホームまくりにしっかり追走し「余裕があった」と手応えを感じていた。

私は現役の晩年、深谷や浅井に何度も助けられて感謝している。それは深谷が静岡に移籍しても変わらない。いつも応援している。

準決11Rは新山響平と寺崎浩平が初日に続いて対戦する。新山は同じ負けはしたくないので、車番もいいし、突っ張り先行で決勝入りを狙うだろう。足をためるのは清水裕友と深谷。どちらも魅力的だが、浅井が1番車をもらって車番がいい深谷ラインを推す。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎浅井康太 ○深谷知広 ▲新田祐大 ☆清水裕友 △東口善朋