【天野保彦のオレに任せろ】

 旬な男がSG連続優勝に向け発進する。「オレに任せろ」の天野保彦は、初日12Rの主役に荒尾聡(36=飯塚)を指名する。SS王座決定戦を制し、10年ぶりのSG戴冠。マシンの状態は引き続いて良く、1着発進でVへ弾みをつける。

 荒尾が今節の顔になっている。初日12Rの8枠。鈴木圭一郎の定番を奪った。「SSを取ったので、逆に気が引き締まる」。前検日には、今まで以上に多い記者に取り囲まれた。「セットでしっかり合わせたい」。真剣な表情でエンジンの音を確かめた。

 マシンは高いレベルで安定している。きっかけとなったのは、17年11~12月の地元戦。新品クランクに換えた後、状態が急上昇した。「伸びるようになった。僕がいいのは、伸びる時」。伸びに納得すると、下地があるだけに、他の調整もうまくいった。

 SS王座決定戦は、仕掛けどころがズバッと決まった。「滑るので、間違えないように冷静に走った」と振り返る。じっと我慢して一気に勝負に出て、青山周平、鈴木を瞬時に振り切った。最高峰レースで得た自信は大きい。

 大みそかの号泣ゴールから、「2日間はうれしさ、興奮で寝られなかった。起きたら、夢じゃないか、と思った」と冗談交じりに言うが、それだけ大きい優勝だ。SGの優勝戦進出はSS王座前に実に40回、2着も9回あった。「もう勝てないのでは」と何度も思った。呪縛から解き放たれた今、プラスの相乗効果は計り知れない。

 初日の5R発売中、優勝報告会で地元ファンに勇姿を披露する。「ビッグレースを制した後の地元のSGは大事」。走路状態が微妙なだけに、ぶち、湿走路が得意なのは心強い。1着発進で場内の大歓声に応える。相手は近況から山田、松本、西村の順。(8)-(7)(3)(4)-(7)(3)(4)(5)の9点を推奨する。