ボートレース第122期生の修了記念競走が23日、福岡県柳川市のボートレーサー養成所で行われた。親族や関係者約300人が見守る中、養成所チャンプ決定戦は在校勝率4位の原田才一郎(21=福岡)が2周1Mの逆転で1着。養成所チャンピオンに輝いた。同1位で1号艇の若林義人(20=静岡)は3着だった。修了した26人(女子3人)は5月1日のからつを皮切りに全国でデビューする。

 原田才一郎が父譲りの走りで接戦を制した。父・原田富士男は、最後まで諦めない粘りのレースが持ち味の、G1・2回優勝の実績を持つ現役レーサー。1Mはインから逃げた若林義人が先行し原田は3番手。苦しい展開だったが、前日のペラ調整で仕上げたパワーも味方に猛追を見せ、2周1Mで逆転。「幼いころから父の走りを見ていたので。追い上げて逆転は自分らしいレースだったと思います」と振り返った。

 物心がついたときから「この道しかない」とボートレーサーを志し、6回目の受験でついに合格。養成所では122期のリーダーとなり、第1回と第3回のリーグ戦で優勝。芦屋で行われた第5回のリーグ戦では、指導に来ていた父親の前で事故をしてしまったが、「失敗しても頑張れ」という応援を励みに奮闘。その第5回を除くリーグ戦は全て優出と好成績を残した。

 デビュー戦は5月7日の若松。「地元なので決まった時はうれしかった。目標の選手も父一本です。同じレースを走って、何年かかってもいいから勝ちたい」。偉大な背中を追いプロの世界に挑む。【加藤貴嗣】

 ◆原田才一郎(はらだ・さいいちろう)1996年(平8)10月18日、福岡県北九州市生まれ。八幡南高卒業。リーグ戦勝率7・03で在校4位。優出5回、優勝2回。剣道は3段の腕前。家族は両親と弟2人。165センチ、54キロ。血液型A。