高校野球・夏の地方大会11連覇中で、今春のセンバツにも出場した聖光学院(福島)OBの宇佐見優介(24)が、第115回(男子)日本競輪学校入学試験に合格した。聖光では現阪神の歳内宏明投手(24)と同期。高校卒業から6度目の挑戦で夢をかなえ「自分の力だけでは合格できなかった。歳内からは『おめでとう。お互い頑張ろうな』って祝福のLINEが来た」と笑った。

 11年夏の甲子園は、試合に出場することなく2回戦で敗れた。野球引退後に「自分の努力次第で活躍できる場所」と、競輪選手になることを夢見た。昨年、5度目の挑戦で不合格となった翌日から1日3部練を課した。朝4時半に起床して朝練を始め、自分を信じてひたすら自転車をこぎまくった。聖光で学んだ物事に取り組む姿勢が、肉体に染み付いていた。

 宇佐見 去年の時点であきらめようと思っていたけど、もう1回頑張ろうと。聖光で3年間野球を頑張れたんだから、自分にできないはずがないと思った。

 合格した瞬間、師匠でS級1班に所属する飯野祐太(33、90期)が男泣きした。「師匠は自分のために泣いてくれた。いつか師匠の前を走って、優勝させたい」。1月18日には合格の報告で母校に訪れ、恩師の斎藤智也監督(54)らと記念写真に納まった。「今までおやじや師匠、聖光のスタッフたちに支えられてきた。みんなの期待に応えたい」。根性で競輪選手の夢をつかみ取った。今度は周囲への恩返しで1着をつかみ取る。

 ◆宇佐見優介(うさみ・ゆうすけ)1993年(平5)9月6日、福島・いわき市出身。小玉小2年で野球を始め、小川中ではいわき中央シニアに所属。聖光学院では2年秋からベンチ入り。卒業後、日本競輪学校に6度目の挑戦で合格。171センチ、74キロ。