西山貴浩(30=福岡)がバック4番手から1周2Mの逆転勝ちで特別競走初V。7月の若松SGオーシャンC出場へ大きく前進した。2着は河合佑樹、3着は磯部誠が入った。

 冷静なレース運びがさえた。「2Mに全てを懸けてました。僕が一番落ち着いていたんじゃないですか」。そして、夫人へ感謝の思いを口にした。「初めて嫁さんに『優勝するから』と言って家を出ました。いつも自由にさせてもらい、ありがたく思ってます」。

 前節の津で、1枚のペラとの出会いがあった。「鶴田(勇雄)君が特殊な形のペラにしてたんで、それを煮詰めたら優勝できた」。現状のままでは記念戦線で通用しないと感じ始めた矢先に、浮上のきっかけをつかんだ。

 羽野直也や仲谷颯仁といった福岡支部の若手には、まだまだ負けられない。「あの2人が頑張ってるし、結果を出さないと」。このときばかりはエンターテイナーもさすがに真顔だった。【工藤浩伸】