ガールズケイリン114期で、22日付で引退した石井菜摘さん(21=栃木)が現在の心境を語った。

「性格的に、プロの選手に向いてなかったみたいです。他の選手を押しのけてまで勝とうとする気持ちが足りなかった。今後の方向もだいたい決まりました。今は気持ちのもやもやがなくなり、すっきりしています」と明るいトーンで話した。

昨年7月にデビューすると4場所目の伊東で初勝利を飾り、続く岸和田で2勝目を挙げた。順調なスタートを切ったかに思われたが、それからすぐに古傷の右膝痛を悪化させ、今年の初頭には胃腸炎からリズムを崩した。

6月名古屋の落車では右肋骨(ろっこつ)骨折など重傷を負った。「初勝利のときは、どうやって勝ったか覚えてないぐらいうれしかった。自信も出てきたけど、その後は苦しい思いをするばかり。今年の春ぐらいから選手をやめようか悩んでいて、そんなときに名古屋で大けがしました」。

作新学院高3年でジャパントラックカップ1、2女子ケイリンを制し、将来性豊かな有望株が無念の決断に至った。「師匠の山口貴弘さんをはじめ、栃木の選手や皆さんにお世話になりました。自分は活躍できなかったけど、皆さんのご活躍を願っています」。

持ち前の持久力を生かした攻めを見せないまま、バンクを去った。