徳増秀樹(45=静岡)がインから危なげなく先マイに成功。悲願のSG初制覇を成し遂げた。歴代5位となるSG年長Vとなった。

   ◇   ◇   ◇

完璧だった。インからコンマ05のトップスタート。スリット隊形で勝負あったと思わせるぐらい、他艇は攻めようがなかった。1Mは自分のターンをするだけ。バックは準優の再現を見るかのような、独走態勢を築いた。「正直、回転が足りなかったけど、準優はバチッと合っていたので、それを信じて、ペラはたたいていないです。きれいにかかってくれたし、いいターンができました」。相棒の45号機を信じ抜いた徳増の完全勝利だった。

SG優勝戦の1枠は初めて。極度のプレッシャーが襲いかかった。「手が震えるし、今まで経験したことのない緊張感がありました」。克服できたのは、同期で、16年に胃がんで亡くなった故今坂勝広氏の存在だ。「彼が生きていたら、僕より常に少し上にいっていたと思うし、それを証明するためには僕が頑張るしかない。彼がいなかったら、僕はここまで頑張れていないです」。常に天国から見続けているライバルが、徳増をより一層強くした。

この優勝で2年連続2回目のグランプリ出場が濃厚となった。「グランプリに毎年出られるような選手になりたいし、いつかは賞金王を取りたいです」。SG覇者の称号を得た徳増が、さらに「濃く」走り続ける。【古村亮】