下河誉史(38=福岡)が、準優10Rで2着に入り、ファイナリストに名を連ねた。

5コースからダッシュ発進の下河は、スリットをコンマ29とやや立ち遅れた。隣の4コースカドから、松田竜馬がトップタイミング(コンマ16)でそのまま出ていくと、すかさず内側に進路を取る。ここで、3コースの松田大志郎と大きく接触して松田大は後退した。1Mの展開がごちゃつく中、下河は空いたブイ際を見逃さずに飛び込み、そのまま周回を重ねてゴールした。

相棒の27号機は出足、回り足が目立ち、節間はノーハンマーだったが、準優前に初めて微調整してレースに臨んでいた。

「上位とは差があるけど、上位の次だと思う。バランス型ですね。(優勝戦の)コースは基本枠なりだけど、臨機応変にいきます。ダッシュのスタートは分からないから、本当はスローがいいけど…。あとは、乗り心地が欲しいし、展開を突ける出足を付けていきます」。

最終日12R優勝戦は、大外の6枠に座る。

今節の芦屋ボートは“オール福岡選抜戦”。下河は出身地や現住所についても語っている。

「もともと、僕は大牟田市(福岡県)の出身なので、いま住んでいる久留米市は第2の故郷ですね…。静かで住みやすい土地です。おすすめのスポットは、高良山(こうらさん)から見る田園風景。眼下に雄大な筑後川が見えて、最高の景色です。久留米競輪場もあります。あとは、何と言っても、下河が住んでいるってところがいいところです(笑み)」。

ボートレーサーになったきっかけは「兄のおかげ。本当は兄がなりたかったんだけど…、僕は(受験を)まねをしただけ。子供のころから大のお兄ちゃん子だったんですよ」と言いながら、目を伏せて過去を回顧する。

現在、下河が愛するお兄さんは、大牟田市内で「大牟田てっぱん秀房」というお店をやっている。ファンにおすすめを聞くと「何といっても手羽先です! 絶対、食べてください。僕は1ポンドステーキを食べるのが好きなんですけどね」と、おなか周りをさすって笑いを誘った。

優勝戦の“ねらい目”は、再び展開を突いてくる下河の一発だ!