KEIRINグランプリやG1日本選手権(ダービー)を4回制すなど、競輪界のカリスマ村上義弘(47=京都)が、10数年に渡り封印していた他地区の番手を宣言した。マークする選手は岐阜の山口拳矢だ。

「記憶にある限り、他地区の番手は10数年前に1度あるだけ。上位選手になってからは、近畿地区以外の選手についたことはなかった。でも、今回の山口拳矢君は特別な存在。親交が深かった山口幸二さん(日刊スポーツ評論家)の息子さんで、彼が幼いころから家族ぐるみの付き合いがあったんです。自分が娘3人だったので、いずれは子供同士で結婚させようかと、幸二さんとも話したことがありました(笑い)。その拳矢君が自分のことを気にかけてくれたんですからね。最初は僕の前で自力で頑張るといっていた(松岡)健介君も分かってくれたし、その言葉に甘んじて、今回は拳矢君の番手を回ります」と宣言した。

その村上の熱い思いを伝え聞いた父幸二氏は「そんなことがあるなんて…」と絶句。「びっくりしたし、感動もした。明日はテレビの前で正座して、2人の健闘を祈っています」と心からのエールを送っていた。