今年の殊勲賞は古性優作に決まった。オールスター競輪、GPを優勝し、見事賞金王に輝いた。彼の魅力はレースに遠慮がないところ。近畿の伝統が脈々と息づいている。脇本雄太が復帰し、番手を回る機会も増えるだろう。古性を攻める選手もいないので、さらなるタイトル量産が期待できる。

敢闘賞の松浦悠士、技能賞の郡司浩平も、ヨコもできて先行もできる。今は自在選手が全盛なので、力でねじ伏せるレースが少なくなった。その結果、タイミングが来て仕掛けるレースが増え、ファンの琴線に触れるレースが少なくなり、レースが複雑化した。いいか悪いかは別として、ルールに合わせて競走、選手が進化した結果だ。

児玉碧衣は不調に悩まされた時期もあったが、連勝記録を更新し、ガールズをけん引した。ガールズGPを逃しても受賞できるのは、1年の活躍が認められたからだ。今年は彼女を打ち破る選手が出るのかどうかも楽しみだ。(日刊スポーツ評論家)