競輪で岩手県といえばG1覇者の佐藤友和の名前が思い浮かぶが、競輪場がなく、絶対的な選手数不足で若手の台頭があまりない。それが今、活気を取り戻しつつある。

向日町の初日A級特選5Rを快勝した115期の照井拓成(26=岩手)がその1人。先行、まくりに徹して徐々に強くなり、7月からはS級昇格が決まっている。「ダッシュには自信があるんですが、持久力が強化ポイント。あまり長い距離を駆けるのは少し苦手かな」。

照井以上に旋風を起こしそうなのは121期で、養成所を早期卒業した中野慎詞(22)。この逸材はデビューから6場所連続優勝。18連勝で照井より先にS級特昇を決めた。A級最後の青森では中野の後ろに照井がマークして岩手ワンツーを決めている。「踏み出しには付いていけますが、ちょっと抜ける感じはなかったかな」。

照井は準決8Rも恐らくきっちり勝つだろう。「楽しみではありますが不安もある」という7月からのS級戦に向けて、緩めるわけにはいかない。岩手旋風が巻き起こる日は近いかもしれない。