1期生がガールズレーサーとして意義ある1歩を記し、切り開いた道に、ヒロインが次々に誕生した。

同時に、発足当初に目標として掲げられた競技者の発掘や育成も進んだ。悲願とする自転車競技ケイリンでの五輪メダル獲得も、現実味を帯びてきた。

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2期生の石井寛子は明大自転車部で脚力を磨き、エキシビション時代からガールズケイリン誕生に尽力した。「(12年)ロンドン五輪を目指すため」に1期生としての参加を見送り、満を持してのデビューだった。今月7日にはガールズ史上初の500勝を達成。ガールズグランプリ(GP)の9年連続出場(うち優勝1度)も更新中。トップをひた走っている。

3期生の小林優香は、五輪出場を目指してバレーボールから転身した。デビュー早々にガールズ界の勢力図を塗り替え、競技でも昨年の東京五輪に出場して夢を実現。現在も24年パリ五輪でのメダル獲得を目標に、海外を飛び回る。

同期の高木真備(引退)は努力の末に昨年のガールズGPで女王となると、今年5月に電撃引退。伝説を残した。

そして、4期生からはトップスターの児玉碧衣が誕生。ガールズGP3連覇、最多連勝記録34など金字塔を打ち立てた。明るく奔放なキャラクターと圧倒的な強さで、名実ともにガールズケイリンの顔となっている。

一方で、小林とともにパリ五輪を目指し、昨年世界選手権で女子ケイリン銀メダルを獲得した佐藤水菜、小林、児玉らと同門の尾方真生らの若手も台頭してきた。

中心となる選手に引っ張られ、そして負けないように、追い越すようにと努力を続ける。ガールズレーサーが常に進化してきた10年間だった。

◆10年のあゆみ 12年7月にガールズケイリン初開催。13年からコロナ禍前は短期登録制度として海外から五輪メダリストら、トップレーサーが参戦。ガールズGPに加え、ガールズケイリンコレクション、ガールズケイリンフェスティバル、ガールズドリームレース(ファン投票上位7人)など特別レースも増えた。また、17年7月からガールズ全員がL級1班に格付け。現在全国43場のうち、小松島と休止中の熊本、250になった千葉を除く40場で開催されている。