深谷が劇的Vでグランプリ切符! 最終日12RでSGチャレンジカップの優勝戦が行われ、6枠の深谷知博(34=静岡)が2M、こん身のターンで逆転優勝。賞金ランク25位から見事な下克上を果たし、ヒーローになった。レディースCCも波乱の結末。中村桃佳(29=香川)が6コースからまくり差しで突き抜け、2度目のG2制覇を飾った。

 

★SGチャレンジカップ バックでは山口剛、篠崎仁志が少し前。深谷はその後方で冷静に戦況を見ていた。「1Mを回った瞬間に3着だと思った」。腕達者ばかりのSG優勝戦。1度、上位の隊形が決まってしまえば、逆転の機会はほぼない。しかし、2Mで勝機が巡ってきた。山口の先マイが流れ、並走していた篠崎は舟を引く。両者の間に絶好のスペースが…。外に構えていた深谷が狙い澄ましたまくり差しでズブリ。「ベストのターンができました」。奇跡的な好展開を自然体の旋回でとらえた。

前検日時点の賞金ランクは25位。予選を18位で通過し、準優で2着に入り、優出した。そして、優勝まで。全てが崖っぷちたった。レース直後、夫人の鎌倉涼から祝福の言葉を受けたが、「覚えていない。たぶん、おめでとうだったと思います」と苦笑い。必死にもがいた先に、2度目のSG制覇が待っていた。

SGグランプリの地は大村。20年10月、SGを初めて勝った場所だ。「縁のあるレース場です。今でもダービーで優勝した時の調整のイメージが残っています」。初出場だった20年の平和島グランプリでは転覆。不完全燃焼に終わった。「自分のベストを尽くします」。同支部の偉大な先輩の言葉を借り、半月後には決戦の地に乗り込む。

 

◆SG戦い終えて

石野(3着)足は仕上がっていた。いいスタート来られてひるんでしまった。

篠崎仁(4着)1Mで誰かが事故しそうになり、なんとなく回ってしまった。

片岡(5着)スタートは行ったけど伸びがもう少しでもっと行きたかった。

平本(6着)足はまあまあも石野さんすごかった。スタート行けて悔いなし。

 

★G2レディースチャレンジC

中村桃佳(29=香川)が大外からまくり差し、クイーンズクライマックス出場を決めた。これが18年のびわこレディースオールスターに続く2度目のG2制覇。2着は守屋美穂、3着は細川裕子が入った。

展示は6枠の鎌倉涼がコースを動いて12346・5、本番は4枠の守屋が引いて、1236・45と中村は大外から展開を待つ隊形。スロー勢が100メートルを割り込む深い起こし位置となり、5カドの守屋がコンマ09のトップスタートでまくる絶好の展開。これに中村も続き差し場を突いた。

中村は「6コースは譲らないつもりでした」と笑い飛ばし、誰にも負けない勝負度胸で自然体のレースを貫いた。「産休前の方が勢いがあったけど、守るものができたし新しい自分でいきたい」。堂々の賞金ランキング7位で年末、住之江の大一番に挑む。

 

◆G2戦い終えて

細川(3着)朝練習で転覆にも変わらず足は全体に良かった。結果は仕方ない。

高田(4着)スタート行けてできることはやった。足は良かった、悔しい。

鎌倉(5着)1つでも内へと思ったけど深くなり過ぎスタート行けなかった。

田口(6着)進入は想定内もスタートがわからなかった。足は良かったです。

 

★GP、QC出場への勝負駆け振り返り チャレンジCは深谷知博が優勝。賞金ランク25位から5位までジャンプアップし2度目のグランプリ出場を決めた。篠崎仁志は4着に終わり19位で涙をのんだ。待ちの立場だった丸野一樹が最終切符を手に入れた。

レディースCCは中村桃佳が勝ち、女子ランク7位へ。クイーンズクライマックス逆転出場へ2着条件だった鎌倉涼は5着。5R4着で12位にいた堀之内紀代子が年末の大一番に初出場となった。