関東の次世代エース真杉匠(24=栃木)が番手まくりで決勝12Rを制した。

昨年7月小松島以来3度目、地元宇都宮では初のG3制覇を果たした。表彰式では「本当に、素直にうれしい」と顔をくしゃくしゃにすると、大勢のファンから拍手と歓声が送られた。

絶好の展開を逃さなかった。目標にした山田雄大が久田裕也を突っ張り、自身は最終バックで番手発進すると、後位の佐々木悠葵は浅井康太の仕掛けを阻んだ。「山田君が『突っ張ります』と。余裕がなかったし、ラインのおかげ」と何度も繰り返した。日ごろは自らが逃げて関東勢をリードするが、今回ばかりは大チャンスをもたらされた。

地元の栃木勢として、09年(60周年)の神山雄一郎を最後に14年も遠ざかっていた大会V奪還も果たした。充実感に浸り、達成感も強くしながら、すぐに次なる目標を設定する。「自分の後にデビューした山口拳矢さんは、もう共同通信社杯とダービー(日本選手権)で優勝した。自分も目指したい。次は全プロ記念、そして高松宮記念杯でも頑張る」。栃木の新エースは、ますます勢いを増していく。