佐藤摩弥(31=川口)が4日目12R準決勝戦を勝って、区切りの通算300勝を達成。女子オートレーサー初のG1優勝に王手を懸けた。

もともと、前検日に「通算300勝は全く意識していないです」と話していた佐藤。準決勝戦12Rを振り返って「タイヤが良かった。エンジンは、正直変わっていないですね。スタートを行くしかないと思っていて、想像以上に攻めてしまった。けど、何とか(スタートタイミングが)入っていて良かった」と、速攻一本に気持ちを入れ、強烈なスタート一気ですぐに先頭に立つ、得意の勝ちパターンに持ち込めたのが勝因だった。

17日の優勝戦で、今度は女子オートレーサー初のG1制覇の快挙達成に挑む。「エンジンは何をしても変わらない。逃げるだけならまだいいですが、抑えたり、さばいたりっていうのは厳しい。このまま、というわけにいかないので、セッティングを。タイヤは低くて8周回は厳しいと思うけど、これで行くつもり」。

ファイナルは、スタート巧者も多くそろった。佐藤にとって地元川口伝統のG1「キューポラ杯」だけに、準決勝戦同様、スタート一気を狙って悲願のG1タイトル奪取に臨む。

◆オートレースとは 8車立てで、1周500メートルのバンクを6周(ビッグレースでは8、10周の時も)して競う。全国5カ所にレース場がある。群馬・伊勢崎、埼玉・川口、静岡・浜松、山口・山陽、福岡・飯塚で開催される。レースは、選手の技量の差によってハンデ(10メートル単位で最大110メートルまで)が定められている。競走車は左回りコースに合わせて、車を倒した時にハンドルが平行になるように取り付けられている。エンジンはオートレース専用に開発されたスズキ製の排気量600CC2気筒。ブレーキは追突事故防止のため付いていない。選手は元ロードレース世界チャンピオンの青木治親、ロードレース出身の青山周平らがいる。22年の獲得賞金NO・1は、鈴木圭一郎で9817万6536円。過去の最高額は、04年に高橋貢が記録した1億4812万4255円。