千葉の重鎮・宮倉勇(59)が2月の奈良以来、9カ月ぶりの決勝進出を決めた。A級準決5Rでラインの3番手から2着に入る健闘。人気ラインでの3車独占だったが、3連単7020円の好配当になった。

来期S級復帰が決まっている長田龍拳を先頭に、宮倉の弟子にあたる小埜正義が番手を固めた。長田の突っ張り先行に乗り一本棒のまま追走。ゴール前で長田を差して、愛弟子とのワンツーフィニッシュを決めた。「あれだけ引っ張ってもらったらね。(2着は)うれしいよ」と、まずはラインに感謝。小埜とは日々、練習を共にしており「練習の感じでいけたんですよ。それもあって(道中は)余裕がありました。若くて強い人たちと走ると、よみがえるよね」と何とも頼もしい。

宮倉がS級在籍していた時以来、久しぶりに師匠の前を任された小埜は「昨晩は(緊張で)眠れませんでしたよ。午前3時まで起きていた」と苦笑い。大役を果たし「本当に良かった」と胸をなで下ろした。

いみじくも、今開催は千葉のグランプリレーサー鈴木誠氏(18年引退)の冠大会だ。平成の時代、ともに千葉の看板を背負い、切磋琢磨(せっさたくま)してS級の舞台で戦ってきた。「鈴木誠杯で決勝に乗れるなんてね、感慨深いものがありますよ」。A級決勝9Rは、盟友の前で再び存在感を見せつける。