私を揺さぶる、グランプリ-。12月16日からボートレース住之江で開幕する1年の総決算、SG「第40回グランプリ」に向けた特別企画がスタートする。「Road to THE GRAND PRIXキャンペーン」と題した企画の第1弾としてトップレーサーの峰竜太(40=佐賀)、定松勇樹(24=佐賀)の師弟コンビにスポットライトをあてる。今年も上半期が終わりプライベート、理想のグランプリ、最高の栄誉をつかむための意気込みなどを熱く語った。(取材日=6月30日)
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定松勇樹は震えていた。昨年5月の多摩川SGボートレースオールスターを史上4番目の23歳という若さで制し、年末の第39回グランプリに初出場。ただ、いざピットに足を踏み入れると、異様な雰囲気に包まれ、完全に萎縮した。「気持ちの高まりというか、もうドキドキで緊張しまくって。空回りしてしまうので、少しずつ慣れてはいったんですけど、ピリピリ感はすごくありましたね」。偉大な師匠・峰竜太との参戦は大きな支えだったが、それでも最高峰の舞台は甘くない。トライアル3回戦で6枠の茅原悠紀にコースを奪われ、メンタルは大きく揺さぶられた。「進入からすごい駆け引き。最後に経験値の差が出ました」と振り返る。
ファイナル進出の目安とされる21点に到達。確率的に初出場で初のベスト6入りと思われたが、数少ない確率で進出ならず。初の大舞台でこれまで経験したことのない悔しさ、反省、学びを得た。
優勝した多摩川SG、師匠からレース前にかけられた言葉は今も大事に胸の奥にしまってある。「ここで勝てなくても、自分の財産になるレースにしよう。ひとつのターンにしろ自分の成長につながるようなものにしよう」。だから結果が出てもおごることはない。定松にとって、多摩川の優勝もGPのトライアル敗退も、次につながる過程に過ぎないのだ。
ボートレースはメンタルが最も大事な競技だと認識している。G1を走り始めた時は正直、幾度もタイトルを勝ち取ってきた先輩に威圧感を覚えた。でも、ネガティブな発想は捨てた。「SGを勝って、気持ちの部分は成長できたと思います。結果を出すことは大事なんですが、その根底にしっかりした自信が持てるか、その方が大事だと思います。デビュー時は自信がなかったし、目の前のことしか見えてなかったから事故が多すぎました」。
苦い経験もたくさんしてきた師匠の話は、若い定松にとって、なによりの良薬だ。「ボートレースのトップで走られている方なので、いかにメンタルが大事かを痛感させられることばかりです。何事もプラスに作用させるようにしています」。
今(6月30日)はフライング休み中。正直、2年連続のグランプリ出場へ厳しい条件が待ち受けている。だからこそ長期計画で、自分と向き合うことを第一に考え、成長した姿でまたあの舞台に立つイメージを思い浮かべる。
「トライアルで松井繁さんと大競りになって先着(3着)したレース、いろいろな方からあれは良かったと言われるんです。勝ちにこだわって走っていますが、3着なのに内容を評価していただいたのがうれしくて」。要所でできることをしっかりやりきった。またひとつ、自信というピースが増えた。
どこまでも師匠譲りだ。グランプリを優勝したら、とにかく好きなものを買いまくるという。「なにか目的がないと、レーサーをやれていない。だから、自分へのご褒美だと思って」。今後、何度も大舞台に挑み続ける峰竜太の後継者。可能性は無限大だ。今年、仮にベスト18入り成らずでも、定松はしっかり自分を見つめ、さらに成長した姿で現れる。





















