<国際親善試合:日本3-0パナマ>◇12日◇デンカS

大物CBの誕生だ。188センチ、19歳の冨安が代表デビューした。スピードがあり、ヘディングもある。中盤もできるくらい、ボールをさばくことも前へ運ぶ技術もある。1対1が強く、代表デビューする10代選手と思えないほど、ラインコントロールも冷静にこなした。声も出ていたし、リーダーシップもありそうだ。

なにより良かったのは、ギラギラ感。9月のコスタリカ戦は招集されたが、出番がなかった。中島や堂安の活躍をベンチで眺めた悔しさがあったのだろう。その気持ちを忘れず、この試合でぶつけてきた。強いメンタルを感じる。

前半の早い時間帯、中盤で相手とヘディングを競る際に、相手を頭突きする場面があった。反則ではあるが、戦う気持ちが前面に出たプレーだ。激しいCBほど、相手FWにとって嫌なものはない。わざとではないと思うが、存在感を示す方法としてはいい時間帯のいい動きだった。

90分を無失点で終えたことは、今後の自信につながる。東京オリンピック(五輪)に向け、大きな光明が見えた。さらにその後続くワールドカップ(W杯)へ、日本代表にとって大きな財産が第1歩を踏み出した。(日刊スポーツ評論家)