J2で首位に立つ横浜FCのFW小川航基(24)が、新天地で躍動している。磐田から完全移籍1年目の今季は24試合に出場し、得点ランク首位の15得点。2位に6ゴールの差をつけてトップを独走中だ。15得点の内訳は右足、左足、ヘッドで各5点。どんな体勢でもゴールにねじ込む力強さを示している。

現在4試合連続ゴール中で、チームも首位奪還。3~4月には5試合連続ゴールをマークしており、シーズン2度目の5戦連発となれば、J2では00年のFWエメルソン(札幌)07年のFWフッキ(東京V)16年のFW鄭大世(清水)21年のFWルキアン(磐田)に次いで5人目。次節6日の秋田戦(ニッパツ)で日本選手初の快記録に挑むことになる。

昨季は1試合のみの先発にとどまり、目標だった東京五輪出場も逃したが、今季はセンターFWとしてだけでなく、1・5列目のいわゆるシャドーの位置でも先発。出場機会の限られたこれまでと違い、先発23試合は自身のシーズン最多記録となり、出場時間1923分も既に最長。ピッチに立ち続けることができれば、必ず結果を残すストライカーであることをあらためて証明している。

19歳だった磐田時代の17年にルヴァン杯で大会最年少ハットトリックを記録。J2水戸に所属した19年には国内組だけで臨んだ東アジアE-1選手権の香港戦で日本代表デビュー。史上3人目の国際Aマッチ初出場ハットトリックを22歳3カ月の最年少で達成した。

その東アジアE-1選手権は19日に開幕するが、大会期間中もJ2リーグ戦は続く。日本代表の森保監督は基本的にJ1の選手を招集する方針のようだが、東京五輪世代のエース候補だった大器は、J2の舞台で再起を果たしている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

〈小川の年度別出場記録〉

16磐田(J1)0試合(先0、途0)0得点 0分

17磐田(J1)5試合(先0、途5)0得点 137分

18磐田(J1)13試合(先4、途9)1得点 444分

19磐田(J1)5試合(先0、途5)0得点 53分

〃水戸(J2)17試合(先14、途3)7得点 1319分

20磐田(J2)32試合(先20、途12)9得点 1799分

21磐田(J2)24試合(先1、途23)1得点 321分

22横浜FC(J2)24試合(先23、途1)15得点 1923分

※先=先発出場、途=途中出場、時間は出場時間。

〈J2同一シーズン2度の5戦以上連発〉

00年 エメルソン(札幌)34試合31得点

07年 フッキ(東京V) 42試合37得点

16年 鄭大世(清水)  37試合26得点

21年 ルキアン(磐田) 41試合22得点

※過去4人はいずれも最終的に得点王を獲得。