日本は1次リーグ第2戦でコスタリカに敗れ、1勝1敗となった。決勝トーナメント進出には、スペインとの最終戦で引き分け以上が条件。勝てば自力、引き分けならもう1カードの結果次第となる。

元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(58)は「勝つ可能性はある」と分析。交代枠を使う時間の見極めが、勝敗を分けるとの見方を示した。

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日本はスペインとの1次リーグ最終戦で引き分け以上が必要になったが、僕は勝つ可能性はあるんじゃないかと思っている。まず、個人技、足元の技術、組織的なパスワーク。これはスペインに分がある。次に、しっかり守るという守備面を考えると、これはイーブン(互角)と見てもいい。

3つ目は2戦目を終えた時点での体力の消耗度。おそらくスペインの方が足が止まる時間が早く訪れると考える。その理由は、スペインとドイツの試合が疲労の残る激戦で、しかも2戦目のキックオフが日本よりも9時間遅かった点にある。中3日の過密日程では、この9時間の差が大きい。

早く試合を終えている日本は、交代枠を有効活用して勝負をかけたい。まず、前半は失点のしない戦いをしつつ、右サイドに伊東、前線に前田を置いて相手を疲れさせる。疲労が見えたタイミングで、スピードのある浅野や、変化をつけられる三笘を投入する。堂安を途中から入れてもいいだろう。相手の足が止まった時に、スピード勝負や変化をつける仕掛けができれば互角以上の戦いができる。このタイミングの見極めが非常に大事だ。

コスタリカ戦は相手を走らせなければいけなかったのに、それができなかった。時間の経過とともに日本が焦り、逆にコスタリカが落ち着いているような展開にも見えた。これは良くない傾向で、日本にとっては相手を消耗させることがまず第一条件。今、目の前で点を取ることに固執しすぎるのではなく、90分間を通じて試合を見ることが大切だ。

交代枠を使うのは、通常なら残り30~25分だろうが、スペイン戦は場合によっては前半30分すぎの早い時間帯に攻めの交代をしてもいいだろう。5枚の交代枠を有効活用したい。

まずは粘り強く守って点を取られない。次に足が止まった時点で弱点を突く。

そこで日本の長所を生かすことができれば、間違いなく勝機はある。(日刊スポーツ評論家)

【イラスト】日本の突破条件 第3戦こうなる
【イラスト】日本の突破条件 第3戦こうなる