代表チームでポジション「フィールドプレーヤー」でのメンバー発表なんて初めて見た。

 ポリバレントという言葉でごまかしたが、どんな布陣でどう戦うか、西野監督自身にまだ明確なビジョンがないと感じた。前日のガーナ戦で3バックが失敗したからではない。監督の指示は位置だけで、あとは選手任せだから、組織として機能せず、後手に回ってしまったのだ。

 落選した選手について理由を尋ねられて、褒めるばかりだったり、とにかく具体性がなかった。選んだ選手はハリルホジッチ前監督と同じ。無難にベテランを選び、その経験値を評価する。「対応力」を強調し、戦術に言及しない。残り時間の少ない中、早くチームの形、指針をつくることが先決のはずだが…。

 まさか、対戦相手から分析されることへの防御で、演じていたのか?

 逆にファンはこれで興味を持った。「自分が監督だったら誰を使って、どう戦う」という話題が盛り上がるよ。どんなチームになるのか、わからない。「開けてビックリ」だったらいいけどね。でも、次のスイス戦(8日)には、ちゃんと基盤ができていないといけない。それを楽しみにするとしよう。(日刊スポーツ評論家)