サッカーのW杯アジア2次予選カンボジア戦(9月3日)に向けた埼玉スタジアムでの日本代表の練習取材をしました。そこで毎回指摘されているのが、体脂肪率です。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は12%以下を基準とし、オーバーしている選手には説教が待ち受けていました。

 つい1年前まで私は大学の体育会テニス部で汗を流していましたが、体脂肪率なんてとても披露できる数値ではありません。では、サッカー選手の体脂肪率維持がどのようになされているのか、ふと疑問に思い調べてきました。

 J1横浜の場合、フィールド選手が10%前後、GKは12%を目安としています。90分間に10キロ以上走るカロリー消費が激しいスポーツ。1日の練習で1~1・5キロ体重が減ってしまうため、練習後の栄養補給が重要視されます。

 この日のクラブの食堂メニューはA・ナポリタン、B・メカジキステーキで、どちらもサラダバーとフルーツバーが付いて、Aは1388キロカロリー、Bは1431キロカロリー。一般成人の1日の摂取目安が1800~2200キロカロリーと言うのですから、わずか1食で補ってしまう程のカロリーを、サッカー選手は毎日摂取しています。

 一方で、驚いたのは選手各人の食生活の徹底です。MF喜田選手は、高校生の頃から、スナック菓子やカップ麺は一切口にせず、油ものも避けるようにしています。

 海外生活が長かったMF中村もストイックな自己管理ぶりでした。イタリアやスコットランド、スペインでプレーしていた時も、必ず日本からひじきを取り寄せるなど、和食生活を心掛けていました。

 また、中村選手はこれほどの徹底ぶりをしていますが、実はカップ焼きそばが大好きだと教えてくれました。だから年に1回だけと心に決め、楽しみに取っておいているそうです。同様に、好きなメロンソーダもシーズンオフ中の楽しみだそうです。「クリームが乗っていれば、なお最高」とオフ中の“究極の一杯”を楽しみに、日々節制に努めています。

 食生活も運動量も一般人とはかけ離れていることがあらためて分かりました。不規則な生活を送ることを言い訳とした私の食生活を考えたら…、見習うべき姿だなと痛感させられましたが、そのまま参考にするわけにはいかないですね。

 でも、ピッチ上で繰り広げられる素晴らしいプレーの数々は日常生活の努力があるからこそと納得しました。これからも選手の輝くプレーに隠された裏側について、伝えていきたいと思います。【青木沙耶香】


 ◆青木沙耶香(あおき・さやか)1992年(平4)8月29日、東京都生まれ。上智大を経て15年4月に入社。5月からスポーツ部でサッカー担当となり、今回がコラム初登場です。