九州アマゴルフ(5月29日~6月1日)の取材で大会会場となっているお茶の産地、鹿児島・知覧町を久しぶりに訪れた。

 知覧町と言えば、第2次世界大戦時に陸軍航空隊の特別攻撃隊基地が置かれた場所で、知覧特攻平和会館には今でも多くの人が訪れる。記者自身、2度同館を訪れたことがある。隊員の写真や出撃前に親に宛てた手紙などの遺品などが展示されており、涙が止まらなかった記憶がある。

 特に今年は、北朝鮮の非核化に向けた動きもあり「平和」が例年にも増してクローズアップされている。サッカーでも被爆地に本拠地を置く今季J1初参戦のV・ファーレン長崎が、サンフレッチェ広島とともにサッカーを通じて平和を世界へ発信できるクラブとして注目されている。J1昇格に際し、大手通販のジャパネットたかた創業者で長崎の高田明社長(69)は「平和を語れるクラブとして、世界に平和を伝えていく役割がある」と話した。

 長崎は今年4月29日の同じ被爆地、広島とのリーグ戦で史上初となる平和マッチを行った。昨年8月には、千羽鶴が描かれた「平和祈念ユニホーム」で3試合に臨みメッセージを届けている。今夏も平和を象徴するユニホームの着用が予定されており、平和への願いを胸にW杯ロシア大会中断期間明けの後半で、リーグ15位から巻き返してもらいたい。

 ルヴァン杯は残念ながら1次リーグで敗退したが、直近ではリーグ戦再開に先がけ6月6日の2回戦から登場する天皇杯に臨む。J1中断前最後の試合で横浜に5失点大敗を喫したが、守備の再構築はいかに。これからも長崎らしい魂のこもった粘り強いプレーを続けてもらいたい。【菊川光一】


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市博多区生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在は報道部記者で主にJリーグや一般スポーツ、カメラマンとしてもプロ野球のソフトバンクなどを担当する。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。