東京オリンピック(五輪)のサッカー男子日本が、ニュージーランドをPK戦の末に下し、ベスト4進出を決めた。会場はカシマスタジアム。Jリーグの鹿島アントラーズの本拠地でもある。

報道陣が作業をするプレス室で受付をすると、おみやげが渡された。中を見ると…。和紙を使用したうちわ、箸置き、袋に装飾がほどこされた割り箸。鹿嶋市の魅力を伝える「ポストカードデザインコンテスト」(絵画部門・写真部門)で入選した作品のポストカードが入っていた。

担当者によると、特に海外の報道陣が、バブル方式で自由に買い物に行けないことを考慮し、日本の伝統で日本らしいものを、おみやげに持って帰ってほしいという願いから配布を決めたという。うちわ、箸置き、割り箸袋はすべて鹿嶋市民の手づくりだ。箸袋は、欧米でも人気の「オリガミ」をほうふつさせる。また、プレスルームのパイプ椅子には、座布団が全席に置かれており、心地よい座り心地になっていたことも印象的だった。

カシマスタジアムは女子のカナダ対イングランド、アメリカ対オーストラリアなども行われており、海外の報道陣も数多く訪れた。箸置きと割り箸は、ポストカードは希望者が追加でもらえるサービスまであった。担当者によると、特に欧米の報道陣が、日本伝統のおみやげを喜び、取材後、おもてなしへの感謝の気持ちをつづったメールも届いたという。担当者は「とても喜んでもらえて、メールまでいただいてうれしかった」と振り返った。

鹿嶋市は、アントラーズとともにサッカーがアイコンとなっている。02年のワールドカップ(W杯)日韓大会では、カシマスタジアムでドイツ-アイルランド、アルゼンチン-ナイジェリアなど3試合が行われ、当時は市民が海外サポーターをもてなした歴史がある。東京五輪で再び、サッカーの会場となった鹿嶋市の「おもてなしの心」は、今も変わっていない。【岩田千代巳】

追加がほしい報道陣用に置かれたカシマスタジアムのおみやげ。箸置き、割り箸、ポストカードがあった。
追加がほしい報道陣用に置かれたカシマスタジアムのおみやげ。箸置き、割り箸、ポストカードがあった。