【安山(韓国)19日=木下淳】U-21(21歳以下)日本代表FW金森健志(20=福岡)が「ネイマール対決」に闘志を燃やした。勝てば1次リーグ突破が決まる21日のネパール戦で、同代表での公式戦初ゴールを目指す背番号11。顔がブラジル代表のエースに似ていることから「博多のネイマール」の異名を取る。くしくも、相手にも顔がそっくりの「ネパールのネイマール」DFバンダリ(20)がいた。対決を制し、決勝トーナメント切符をつかむ。

 金森は安山市内で行われたハーフコートの攻守練習で、3トップの左に入って調整した。17日のイラク戦では1-3とされた直後の後半29分から途中出場。7分後、右クロスに頭で合わせてゴールを狙ったが、惜しくもクロスバーに阻まれた。「決定機には絡めたけど時間も短く、得点できなかったことが心残り」。勝てば2位以上が確定するネパール戦へ「相手は既に2敗してるけど気を抜かず、出たら必ずゴールで勝利に貢献したい」と宣言した。

 1月のU-22アジア選手権にも出場した手倉森ジャパンの常連。6月にはリーグ4戦3発でJ2月間MVPに輝いた。地元福岡では浅黒く焼けた肌、ツーブロックの髪形、彫りの深いイケメンという条件が重なって「博多のネイマール」と愛されるFWだ。「よくサポーターから言われます」と笑いながら「スター性がすごい。プレー集やW杯を見て、日本人にはない個で決め切れる部分を自分もまねしたい」と本家のドリブルなどを参考にしている。

 一方。ネパールの練習に“潜入”すると、そっくりの選手がいた。ネパールのネイマール?

 といってもポジションはDF。名前はバンダリ、男性、首都カトマンズのクラブでプレーしている、以外の情報はない。取材を申し込むと、白人コーチが来て「なぜだ?」。似ているからです、と説明すると「OK」が出た。

 練習後、1度は乗り込んだバスから降りてきたバンダリは「似てますね?」と問いかけると「フフフ」と照れ笑い。日本戦について聞くと、無言でVサインを出し、挑発?

 してきた。

 これには金森も黙っていられない。サイドバックのバンダリは、前2戦はベンチ入りも出場なし。不気味さを漂わせるが、出場してくれば金森とのマッチアップになる。「相手にもいる?

 絶対に負けません。ドリブルが得意なんで、チンチンにしてやりますよ」。イラクに敗れた後の大事な一戦。金森が痛快なゴールでネパールに引導を渡す。

 ◆金森健志(かなもり・たけし)1994年(平6)4月4日、福岡市生まれ。4歳の時に若久サッカー少年団で競技を始め、筑陽学園中時代に全国大会準優勝。筑陽学園高3年時の12年にJ2福岡の特別指定を受けてJリーグ出場が可能になった。高卒1年目の13年に開幕戦で途中出場すると、37試合6得点と主力に定着。J2通算59試合12得点。171センチ、69キロ。利き足は右。血液型B。

 ◆日本の1次リーグ突破条件

 日本が最終戦でネパールを下し、クウェートがイラクに勝てば3チームが2勝1敗で並ぶ。当該3チームの対戦成績は1勝1敗のため、3チーム間の直接対決の得失点差で争う。日本はクウェート、イラクと戦い終えてプラス1。第3戦で直接対決するクウェート(マイナス3)とイラク(プラス2)がともに日本を上回る可能性はなく、日本は勝てば突破。