ハリルジャパンが、W杯予選史上初の6試合連続完封を達成した。最下位カンボジア相手に前半は危ない場面もあったが、後半は持ち直してシャットアウト。6月16日の初戦シンガポール戦からの連続完封を6試合に伸ばし、同5試合だった93年のオフト監督、97年の加茂監督時代を抜いた。DF吉田が「前半は評価もできないほどの内容」と振り返るほど苦しんだが、不慣れな人工芝の上でも今世紀初の記録を打ち立てた。

 新守護神のGK西川周作(29=浦和)も歴史に名を刻んだ。前半23分にFWラボラビーの速攻を浴びたが、コースを切ってシュートミスを誘う。同36分にはペナルティーエリアを飛び出して頭でクリア。後半16分の左CKはパンチングで防いだ。10、14年W杯の正GK川島が移籍問題で不在の間、評価を盤石にした男がカンボジアに立ちはだかる。GK個人記録としても連続完封試合を「5」に伸ばし、93年の松永成立、97年の川口能活が持っていた最多記録に並んだ。

 次は来年3月、在籍する浦和のホーム埼玉で試合がある。所属先が決まった川島の復帰も予想される中、競争に勝たなければならない。もちろん、ピッチに立って新記録を打ち立てる。

 ▼W杯予選のチーム連続試合無失点 今予選の日本は初戦から6試合連続無失点。93年の米国大会1次予選(オフト監督)、97年のフランス大会1次予選(加茂周監督)での5試合連続を抜く新記録。

 ▼W杯予選のGK連続試合無失点 今予選は初戦のGKが川島、2戦目以降は西川。西川は5試合連続無失点で、93年の松永成立と97年の川口能活の5試合連続に並ぶタイ記録。