静岡ユースがU-18日本代表に1-0で勝利した。主将のFW白井海斗(清水桜が丘=17)が先制。チームとしてテクニックで相手を上回り、金星につなげた。今大会の成績は1勝1敗。明日13日、2011年以来6年ぶりの優勝を懸けて、U-18チリ代表と対する。

 鮮やかなゴールで格上を撃破した。前半27分、静岡ユースの白井は、縦パスに反応。飛び出したGKよりも一瞬早くボールに触り、チップキックで右脇を抜いた。転々とゴールに向かうボールを見届け、両手を広げた。仲間の手荒い祝福を受けたヒーローは「(GKと1対1の状況で)コースがなかったので少し浮かせました。狙い通りです」と自画自賛した。

 後半は終始守備の時間が続いたが、白井がまたも会場を沸かせた。同23分、左サイドタッチライン際でボールを受けると、DFの股を抜き、2人を置き去りにした。その後は自ら決めた1点を守り抜くために体を張った。チームとしても、屈強な「日本」に個々のテクニックと連動した守備で対抗。サッカーどころ「静岡」の意地を見せ、白井は「代表に勝てば静岡が強いところを証明できる。今日は絶対に勝ちたかったです」と胸を張った。

 白井自身は、年代別日本代表に選ばれた経験はない。県内で有名でも全国的には無名。だが、将来の夢はプロになることだ。だからこそ、同年代の日本代表に並々ならぬ闘志を燃やしていた。「こういう場で活躍すれば自分の将来につながっていくと思います」。

 6年ぶりの優勝の可能性を残す明日の最終戦は、2戦2勝のU-18チリ代表と対する。「チーム全員で戦って優勝を目指します」と白井。静岡の誇りを胸に、自分たちの将来に向けた一戦になる。【神谷亮磨】