日本代表FW杉本健勇(24=C大阪)が、背水の覚悟で初先発に臨む。日本代表は9日、今日10日の国際親善試合ハイチ戦に向けて会場の日産スタジアムで調整した。出場3戦目で初先発が濃厚な杉本は、W杯代表への生き残りラストチャンスの気概で臨む。格下ニュージーランド戦で決定力不足を露呈した日本で、杉本が一発回答を狙う。

 武者震いだ。今季J1で16得点とストライカーとして覚醒し、日本代表に招集された杉本だがここまで途中出場のみで無得点。存在をアピールできなかったが、ついに初先発が巡ってくる。先発の方がやりやすいか問われ「当たり前でしょ!」。そして「最初から出たいし、チャンスをもらえればなるべく中(ゴール前)で勝負したい。先発で出たいから頑張りたい」と何度も先発を強調した。

 待望の先発でも結果を残せなければ立場は危うくなる。ハリルホジッチ監督は会見で「国内組のいろんな選手を見るチャンス」と位置付けた。6日のニュージーランド戦では、日本の永遠の課題ともいえる決定力不足を露呈した。生き残るには結果を出すしかない。杉本は「危機感はもちろんありますね。みんな持っている。結果であり、プレーでみせないと、この中に残っていけない」。ラストチャンスの覚悟で臨む。

 前日8日、所属するC大阪がルヴァン杯決勝進出を決めた。G大阪との準決勝は、劇的なロスタイム弾で大阪ダービーを制した。杉本は「見てた。やばかった! 興奮した!!」と大きな刺激を受けた。今度は自らが興奮させる番だ。

 187センチと高さがあり、足元の技術も非凡な杉本に指揮官の期待は大きい。厳しい要求を受けるが「難しいなんて言ってられない」ときっぱり。「結果が欲しい」と素直に求める杉本が、代表初ゴールでロシアへの道を切り開く。【実藤健一】

 ◆ハリル体制のセンターFW 基本布陣である4-3-3でスタート試合は29試合(他に2トップ1試合)。3トップ中央で先発の最多は岡崎で14試合。次いで大迫が7試合。この2人が軸。続くのが杉本。1試合だけだが、武藤もこの位置で先発している。国内組の金崎や興梠(ともに1試合)も指揮官の頭の片隅にあるとみられる。大穴は右FWで序列が下がった本田。実際に昨年のオーストラリア戦では本田がこの位置で起用されている。