ベルギーのロベルト・マルティネス監督(44)が13日、日本との国際親善試合(日本時間15日午前4時45分)の会場ヤン・ブレイデル・スタディオンで行われた公式会見に出席した。

 12日の練習に参加しなかった10番のMFエデン・アザール(26=チェルシー)について「試合まで様子を見るが、問題ないと思っている」と出場させることを示唆。E・アザールも公式練習に姿を見せ、元フランス代表FWで現在はベルギー代表コーチのティエリ・アンリ氏(40)らの指導の下、汗を流した。

 10日のメキシコ戦(3-3)で2得点したFWロメル・ルカク(24=マンチェスター・ユナイテッド)についても、マルティネス監督は「アザールと同じくメキシコ戦で前半45分しかプレーしていない。問題ない」と明言。R・ルカクも、メキシコ戦で代表通算得点を同国史上最多に並ぶ「30」に伸ばしたことで気分を良くしており「年内に更新したい」と、日本との今年最終戦への出場に意欲を示しているという。

 公式会見では、MFケビン・デブルイネ(26=マンチェスター・シティ)がメキシコ戦後、5バックぎみのスタイルを「守備的すぎる」と戦術批判したことに関して質問が集中。地元紙も「デブルイネvsマルティネス」と1面で報じるなど不協和音も聞こえてきていたが、マルティネス監督は「彼は勝ちたいだけだ。こうして素直な意見が出るのはいいことだ」と容認する姿勢を強調した。

 一方で「内々の話だが、確かにチーム内では選手が意見を言い合っている状況」と、少なからず問題を抱えていることは認めた。しかし「W杯で、すべてに応えられる状況にすればいい」と意に介さず「日本戦で(3-4-3の)システムは変えない」と断言した。

 会見ではさらに「居心地が良くないと言っている選手もいる」「ベルギーに(マルティネス監督が試している)3バックは合わない」と厳しい質問も飛び出したが、指揮官は「3失点したメキシコ戦でミスが出るまでは問題なかった。W杯に向けて準備をしないといけない」と返していた。

 最後に日本に関する質問が出ると「先日の試合はさすがにブラジルが強かったが、日本の個人のレベルは高いと思っている。勇気を持って戦っていたし、いいプレスもかけていた」と一定の警戒感を示した。

 選手はMFトーマス・ムニエ(26=パリサンジェルマン)が登場。マルティネス監督への批判について「確かにメキシコ戦の後半は良くなかったが、いろんな戦術をつくっていかないといけないし、選手がオートマチックに機能するまで続けていかないと。僕らには質の高い選手が多くいるのは間違いない。1つになれば、より強くなる」と理解を示した。

 愛称が「赤い悪魔」のベルギーはFIFAランク5位(日本は44位)。昨年途中まで1位だったこともある強豪で、W杯予選を9勝1分けの欧州最速で突破している。しかし、過去の対戦成績は意外? にも日本の2勝2分けと無敗。13年11月の前回対戦も柿谷、本田、岡崎が決めて3-2で勝っている。