【モスクワ2日=八反誠】吉兆のHだ! 18年W杯(ワールドカップ)ロシア大会の組み合わせ抽選会がクレムリンで行われ6大会連続出場の日本はポーランド、コロンビア、セネガルと同じ1次リーグH組に入った。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)にとって、アルジェリアを決勝トーナメントに導いた14年ブラジル大会に続くH組となった。大会は来年6月14日に開幕。日本の初戦コロンビア戦は19日午後3時(日本時間同日午後9時)から。7月15日の決勝まで全64試合が行われる。

 盛大な抽選会が終わるころ、モスクワの激しい雪は強い雨に変わった。雪の街に冬の雨。これは吉兆か-。日本はH組。ポーランド、コロンビア、セネガルと同組になったハリルホジッチ監督は「始まる前から多分、Hに入るんじゃないかと言っていたんだ」。高い鼻の前で指をこすり合わせるしぐさで“鼻がきくんだ”とばかりに胸を張り「HはハリルホジッチのHだ」と笑わせた。前回大会もH組のアルジェリアを率いてベスト16に進み、同国の英雄になっただけにピンときたわけだ。

 抽選は30チームが決まり最後に日本と韓国が残った。運命の2択で、ドロワー(抽選人)のカンナバロ氏は韓国をドイツ、メキシコ、スウェーデンのF組に。これで日本は唯一優勝経験国のいないH組。残り物には福があった。伏線は第3ポット。イランがポルトガル、スペインが同居するB組に。アジア勢は同組にならないため突破が絶望的にも感じられたB組入り回避。正直な指揮官は「もっと厳しい相手のいる組に入ることも考えられた」と明かした。

 もちろん簡単ではない。初戦の相手コロンビアには、前回大会、わずかに突破の可能性があった1次リーグ最終戦で子ども扱いされ1-4で惨敗。過去5大会、1次リーグは初戦で勝ち点を挙げられなければすべて敗退で、南米には3戦3敗だ。ただ「ブラジル大会のリベンジという意味合いもある」と選手を奮い立たせる指揮官には、アルジェリアを率い初戦黒星から突破した実績がある。Hのパワー? にも後押しされ「気持ちを強く持って、何としても決勝トーナメントに進みたい」と言い切った。

 宿舎ホテルに戻るとすぐ、日本協会のスタッフと肉をつつきながら3時間超の対策会議で準備を開始した。ロシアのキリル文字表記でハリルホジッチのHは「X」と書く。まさに無限大の力で、91年12月のソ連崩壊後、国際Aマッチを戦ったことがない未踏の地ロシアでの冒険で世界を驚かせる。