日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)がワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグ初戦の相手コロンビアを、異例のハードスケジュールで直接視察する。リエージュで23日午後1時20分からの国際親善試合マリ戦を指揮した後、西野朗技術委員長、手倉森誠コーチとの“3トップ”でパリ近郊のサンドニに向かい同9時からのフランス-コロンビア戦(サンドニ)で強敵を丸裸にする。

 隣国フランスのサンドニへは協会手配の車で急行する。片道約350キロで約3時間半はかかる。国境を越え“1日2試合”の超ハードスケジュール。翌24日は午前11時から日本の練習がある。視察後、深夜に合宿地に戻る見込み。往復700キロ、計7時間かけても、やり切る。

 対戦国を映像で徹底分析中。「簡単ではないが、日本代表が(W杯で)どのようにプレーするか、すでに私は把握している」と言うが、実際に見てそのイメージを膨らませる。南米の強豪はハメス・ロドリゲス(Bミュンヘン)やファルカオ(モナコ)ら強力攻撃陣を招集。彼らを封じる策を練る。

 同行する西野委員長、手倉森コーチの戦術眼もフル活用。特に西野委員長はアトランタ五輪で日本を率い、ブラジルを下した「マイアミの奇跡」の演出家で頼りになる。フランスに自宅があり、長く同国クラブを率いた指揮官にとって、相手がフランスというのも追い風。自身のフレンチコネクションで、精度の高い生情報もゲット可能。強行軍もものともせず、W杯で世界を驚かすため、ハリル007作戦を発動する。