現役続行を決断したワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表MF本田圭佑(32)が、20年東京オリンピック(五輪)を新たな目標に定めたことが2日、分かった。年齢制限外のオーバーエージ(OA)枠での出場にかける。08年北京五輪にも出場したが、1勝もできず1次リーグ敗退。あの屈辱が、その後の成功の礎となった。再び、五輪をエネルギーにして走り出す。

 7月31日にツイッターで「サッカーを続ける新たな目標を決めた」とつぶやいた。W杯優勝を掲げ、ここまで32年の人生のすべてといっていい情熱を注いできたが、3度目のW杯となったロシア大会の敗退後「これがW杯、僕自身最後になる」と4年後を目指さないと区切りをつけた。サッカーを続ける理由が消滅。現役引退も含め、熟考していた。

 悩み抜いて出した答えが、自国開催の2年後の五輪だった。まず、加入が秒読みとなっているオーストラリアの強豪メルボルン・ビクトリーで、東京五輪の男子日本代表を率いる森保監督にアピールしていくことになりそうだ。

 ただ、いばらの道だ。2年後は34歳になる。現行制度のままなら、OA枠はたった3人の狭き門。今回のW杯ロシア大会のメンバー23人に東京五輪世代は1人もおらず、少なくともこの23人は全員ライバルになる。いくら前向きな本田とはいえ、2年間努力を続け落選となった時のことも考える。努力が報われない場合でも、それを受け入れる覚悟も固め2年間、もう1度サッカーに向き合う。

 本田家には五輪のDNAがある。大叔父の大三郎氏はカヌーで64年東京五輪に、その息子で親戚の多聞氏は84年ロサンゼルス五輪のレスリング代表。五輪を目指すのはある意味、自然の流れ。本田の世界への挑戦は終わらない。