サッカー日本代表と20年東京オリンピック(五輪)世代である同U-21日本代表を兼任する森保一監督(49)が3日、両代表を異例の早さでミックスさせる初の融合強化プランを明かした。この日、U-21日本代表で参加するアジア大会のメンバー20人を発表。早ければ次の大会から、オーバーエージ(OA)枠の選手を複数人合流させたい考えを示した。兼任監督だからこそ実現の可能性があるチーム作りを探求し続けていく。

 森保監督が日本サッカー界初の試みを強化の構想に入れていることを明かした。東京五輪を目指すU-21日本代表の強化方針ついて「(OAの選手を)できれば次の大会から来てほしいという思いはあります」と話した。同代表は来年6月の南米選手権に参加予定で、早ければこの大会から加わる可能性を示唆した。

 融合プランの狙いについて「経験のあるベテランの選手から言葉で伝えてもらう、一緒にプレーして背中をみて感じる。いろんな関わりをもって、よりいい選手になるための環境が作れたらいい」と話した。日本協会はすでに、来年に両代表の合同合宿を検討している。五輪代表がA代表の活動に参加することも考えている森保監督は「固まったプランはないが、世代間の融合はやっていきたい」と語った。合宿でなくとも、A代表の選手を招いて座学の時間を設けるプランもある。ピッチ内外で、早い段階での融合を目指す。

 1日にはワールドカップ(W杯)ロシア大会にも参加したFW本田圭佑(32=パチューカ)がOAでの五輪出場を目指すと表明するなど、W杯組が次々と名乗りを上げている。森保監督は「OAでプレーする意思を表明してくれていること、貢献したいと表明してくれることはありがたいし、心強い。大切にしたい」と大いに歓迎した。

 五輪を目指す森保ジャパンが発足してから5回の活動が終了。各活動でメンバーを大幅に替え、全体の底上げを図ってきた。五輪まであと約2年。指揮官は「2020年の本大会が一番大切。そこで最強のチームを作れれば」と話した。次はA代表のエキスを注入する-。日本人初の兼任監督ならではの森保流で、日本サッカーを先導する。【岡崎悠利】