日本サッカー協会(JFA)は1日、JFA職員に対する不適切な行為があったことを認め、U-17(17歳以下)女子日本代表“リトルなでしこ”の楠瀬直木監督(54)が辞任したことを受けて、8月のU-20女子ワールドカップ(W杯)で女子U-20(20歳以下)日本代表のヤングなでしこを世界一に導いた、U-18女子日本代表の池田太監督(47)を監督代行として選任すると発表した。

リトルなでしこにとって、11~12月に控えるU-17ワールドカップ(W杯)ウルグアイ大会を控え、この日から事前合宿に入る矢先の、まさかの不祥事発覚による監督の辞任だった。そんな急場の中、DF南萌華主将(19=浦和レッズレディース)らヤングなでしこの選手から「太さん」「熱男」などと呼ばれ、人望の厚い池田氏の監督代行就任は、最適の人選だったと言える。

池田監督代行は、ヤングなでしこが17年のアジア選手権に出場した際、選手1人1人にメッセージカードを配り、熱いメッセージを送った。U-20女子ワールドカップ1次リーグでスペインに0-1で敗れ、迎えた8月13日のパラグアイ戦前には、涙を流しながら「俺は、このチームが大好きだし、まだまだこのチームで戦いたい」と熱く訴え、チームを鼓舞したという。

MF長野風花(19=仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)は「その言葉を聞いた時に、やるしかないと思った。太さんのために勝ちたいとみんな口に出して言っていたし、感謝しかないです。太さんと一緒に戦った1年半という短い時間の中で人柄、熱い思いがダイレクトに伝わってくる、すごい監督」と感謝の言葉を口にした。

南も「太さんは、その(出会った)時から熱男で、ミーティングでも誰よりも熱男。このすばらしい監督を世界一にしたいと思った」、MF宮沢ひなた(18=日テレベレーザ)も「熱血でいつでも選手を第一に考えてくれて、太さんの下でサッカーやれたのは宝物。本当に太さんを世界一の監督にすることが出来て良かったと思います」と、池田監督への信頼感を口にした。

ヤングなでしこたちの女心をつかんだ“熱男”池田監督代行の元“リトルなでしこは仕切り直して再出発する。