日本サッカー協会(JFA)は7日、U-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)ポーランド大会(23日~6月15日)の日本代表メンバーを発表した。エースと目された、17歳のMF久保建英(FC東京)はすでに決まっていた通り、招集外となった。

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2年前。韓国・大田のピッチで、悔しさをかみ殺すように立ちつくす姿が今でも脳裏に鮮明に残っている。久保は、当時15歳という若さでU-20W杯韓国大会に出場していた。決勝トーナメント1回戦で、延長戦の末にベネズエラに0-1で惜敗。途中出場するも、ゴールはこじ開けられなかった。

「期待には応えられなかった。自分としては、本当にふがいないです」。

試合直後の言葉。相手は4歳も上の、世界トップレベルの選手。それでも、15歳は年齢を、一切の言い訳にしなかった。

「自分なんかに声をかけてくれて、この大会に呼んでくれた内山監督には感謝の言葉しかありません」

ほとんど見せたことのない、こわばった表情だった。必ずまた、この舞台に戻ってくるという、決意に満ちた口調が忘れられない。

あれから2年。リベンジを果たすために、久保には、U-20W杯に再び出場してチームを勝たせる存在になりたい気持ちは、当然あっただろう。前回大会にともに出場したFW田川亨介(東京)、長谷川健太監督も「本人も出たい気持ちはあったと思う」と、心情をおもんぱかった。

ただ「常に上を目指し続けたい」と話す久保の言葉にも、重みがある。17歳になった今もU-20W杯は飛び級参加だが、さらに1つ上の東京オリンピック(五輪)世代をも飛び越え、6月の南米選手権でのA代表デビューが見えている。J1で首位の東京にとっても欠かせない存在。年齢に関係なく、A代表に選出される実力をつけた。

南米選手権で本気モードの南米勢と対峙(たいじ)することになれば、真の世界トップレベルを目の当たりにすることは間違いない。2年前のように、再び悔しい思いをするかもしれない。それも含めて、かけがえのない経験が久保を待っていると考える。今回は「落選」とは違う。新時代の日本サッカー界を担う若武者への、期待の表れだ。【FC東京担当 岡崎悠利】