【釜山=松尾幸之介】なでしこジャパンは最終戦で韓国に1-0で勝ち、10年以来4大会ぶり3度目の優勝を果たした。0-0の後半43分に相手のハンドでPKを得ると、韓国サポーターのブーイングの中、MF籾木がゴール右へ決めた。引き分けでも優勝という有利な状況の中、ホームの勢いを持って戦ってきた相手に競り勝った。

東京五輪の1次リーグと同じ中2日での3連戦を全勝で終え、籾木は「ここで勝てなければ絶対に五輪でも優勝できない。やりたいことを出し切れなかった中で、3戦勝ち切れたのは大きかった」と手応えを口にした。16強で敗退した6月のW杯フランス大会後は、国際親善試合を含め5戦5勝の無失点。韓国戦前に今大会2戦5発のエースFW岩渕とMF長谷川、主力が相次いで負傷離脱するアクシデントも乗り越え、しぶとく勝てるチームになりつつある。

高倉監督も粘り強く勝ちきった点をたたえながら「顔を上げてボールを運ぶところは今日のメンツだとちょっと弱いのかなと思いました」と注文を忘れない。W杯からの巻き返し、金メダル獲得を狙う来夏の大舞台へ向け、自信をつけて19年を締めくくった。