日本には、頼もしいJ復帰組の大御所トリオがいる。W杯アジア最終予選で1勝1敗の日本代表は、7日(日本時間8日午前2時開始)に2連勝の難敵サウジアラビア(ジッダ)と対戦する。

完全アウェーと酷暑の厳しい条件の中、DF長友佑都(35=東京)FW大迫勇也(31=神戸)DF酒井宏樹(31=浦和)の海外組から国内組に転身した百戦錬磨の男たちが、グループ最大の敵を粉砕する。

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MF鎌田は、サウジの試合映像について「まだ見ていない」と言った。多くのメンバーがミーティング時に、スタッフの作製した資料などで、相手の情報を確認する。大半が見ていない中、DF長友は違った。「試合はチェックした」。オンライン上からも、気合はヒシヒシと伝わってきた。

戦いは始まっている。ビデオを見返し、相手のSBが高い位置を取る傾向などを独自に分析。「彼らのポゼッションにはかなり優位だが裏が空く。持たせている時間帯は常にそこのスペースが空いているとチームが意識すれば突いていける」と対策も講じた。「長い最終予選だけど、初戦負けているのでそんなに余裕はない」と戦闘モードに入っている。

頼もしさがある。サウジは、19年1月のアジア杯でも戦った強豪。前回対戦ではボールを保持されたが、長友の意見は違った。「ポゼッション率も70%とか。かなり持たれて厳しいきつい試合だったが、持たせている精神面もあった。そこまで怖さを感じることなく試合をやっていた」。その上で、おごりはない。「彼らはこの環境を熟知している。だからこそポゼッションで相手を疲弊させて仕留めてくる。前から行ってはめる時間帯と、しっかりブロックを作って持たせる時間帯を共通意識を持っていれば戦えると思っている」と引き締めた。

Jリーグ復帰後、初の代表活動。地の利を生かす。サウジ戦を終えると、次は12日に埼玉でオーストラリアとの一戦が待ち受ける。国内組の長友は、ホームで準備を進められる。「移動が少ないので、これは大きい」。ましてや10年以上の日本代表の経験値がある。「そういう戦いと移動をしているので体が慣れている」。時差、異国の地の気候や環境など意に介さない。

代表の勝利はもちろん、Jリーガーとしての存在意義も考える。「僕がピッチで見せないといけない。基準を示せるようにと意気込んでいる」。熟練の男が、サウジ、オーストラリアをたたく。【栗田尚樹】

○…FW大迫 10月のサウジ、オーストラリアとの試合を「ヤマ場」と位置付けた。「ここでしっかり結果を出せればW杯に近づけるし、結果が出なければ、厳しくなる」と続けた。「置かれている状況は分かっている。チームで戦わないと勝てない相手。最高の結果を出せるようにしたい」と意気込んだ。

○…DF酒井 前回の代表で活動では東京五輪、リーグ戦でのオーバーワークを考慮され、途中離脱したが「代表に入って、8年ぐらい。そういうスケジュール。全く不安はない」と一掃した。敵地での一戦に「引き分けを狙って、引き分けになることはサッカー界ではない。勝ち点3を取るだけ」と胸を張った。

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