サッカー日本代表GK川島永嗣(39=ストラスブール)が11日、取材に応じ、11月のワールドカップ(W杯)カタール大会に向けて、細部の詰めの大切さを強調した。

川島は10年、14年、18年と3度のW杯に出場。期待されながらも1次リーグ敗退に終わった14年ブラジル大会、下馬評が低いところから決勝トーナメントに進んだ10年南アフリカ大会と18年ロシア大会を経験した。「(勝敗の)差がつくのは小さいところ」だという。「レベルが上がれば上がるほど、1つのシーンでなにを考え、どう判断するかが勝敗を変える」と、戦術や準備を超えたところに勝負のあやがあると実感を語った。

W杯という大舞台になれば「準備したから結果が出るというスタンスでいてはいけない。積み重ね以上のものが出せるかになる」と語る。周囲の予想をはるかに上回る力を見せた18年W杯ロシア大会のベルギー戦でさえ、最後の最後でひっくり返された。「(欧州CLを制覇した)レアル・マドリードが戦術的に優れていたかというとそういうわけではなかった。苦境に立たされたときにどれだけ盛り返せるかも大切になる」。

一朝一夕に培えるものではないが、6日のブラジル戦では学びが多くあった。出場機会こそなかったが、試合を見ていてブラジルは日本に比べて相手が嫌がる部分を突いてくる戦術眼があったように映ったという。「相手を見た上でやっていかないといけない部分でもあるかなと感じた。そういう細かいところはもっと自分たちが成長するために必要だし、差を埋めていくうえでは詰めていかないといけない」。王国ブラジルが残した成長へのヒントをここからものにすることが、W杯での躍進につながる。