MF久保建英(21=レアル・ソシエダード)が自身のこと、チームのことについて大いに語った。

日本(FIFAランク24位)が米国(同14位)に2-0で勝利。は左サイドで先発。鎌田と柔軟にポジションを入れ替えながらチャンスを創出した。守備面でも相手にあたり負けせず、左サイドから、チームの主導権を握ることに貢献した。

試合後の久保の主な一問一答は以下の通り。

 

-左ウイングで先発した。振り返って

久保 「良かったと思います。相手のサイドバックがウイングバックのような位置を取っていた。かといって、ウイングの選手が落ちてくるわけではなく、どうしても(左サイドバックの)中山選手に張り付く形だった。その分、僕が守らなくてはいけないなと感じていた。僕としては不本意でしたけど、チームの勝利のために、僕は1つのピースでしかない。前半はそこで守って、ボール奪ってカウンターのシーンが何回もあった。僕としては守備のタスクが周りの選手より多かったと思うが、それは、チームとしての決まり事から派生した仕事。個人の満足よりチームのためにできて良かった」

-守備でも貢献していた

久保 「(球際で)負けなくなっていると思う。いいピッチだったらいけた(奪い切れた)シーンもあった。相手がラッキーだったんじゃないかなと」

-ポジションを変えていたか

久保 「鎌田選手とはどんどん入れ替わった。試合展開としては、あそこまで極端にサイドバックに(前線に)張られてしまうと、なかなかポジションチェンジができない。守備を無視して攻撃だけというわけにはいかないので。そこはちょっと難しかった」

-合わせるスピード感は高まっているか

久保 「そうだと思います。今日はすごく、チームの共通理解の狙いは良かった」

-W杯に向けても守備で頑張れそうか

久保 「今日の相手と言うより、チームとしての完成度は(W杯の相手が)格段に高いと思う。決まった共通認識だけでは戦えないと思う。土台があった上で、コミュニケーションの部分を積極的に取っていきたい」

-課題が出にくかった試合でもあったか

久保 「そうだと思う。相手が結構、変則的で。それが本来の米国の戦い方かは知らないが、僕たちとしては、課題が出にくかった。想定していた内容とは違った相手の戦い方だった。面くらいはしなかったが、自分たちにいい形でカウンターができてしまった分、課題らしい課題がなかったかなと思います」

-トップ下を置くメリットは

久保 「ダブルボランチの1人、守田選手か遠藤選手がサイドバック、センターバックと、三角形のパスを受けに入って出してくれるのであれば、より高い位置でトップ下の選手が絡むことで、(攻撃の選択肢が)サイドバックからウイングへの縦のパスだけではなくなる。後半のように相手が間延びしないと、サイドバックからウイングに縦のボールで『はい、いってください』というのが難しくなってくる。そういった意味で、斜めのパスはすごく効果的。ただFWが受けるとつぶされてしまう。FWの1つ下に(トップ下が)いることで、攻撃の幅が広がる。高い位置でビルドアップができるようになる。僕としては4-2-3-1のメリットかと思う」

-最終予選の序盤の4-2-3-1とは違うか

久保 「違いますね。監督の指示で、(2列目の)サイドは張っていてくれと。それで、スペースにはトップ下の鎌田、前田を使えるところは使って、(相手の)サイドバックをくぎ付けにすることからスタートした。はまりだしてから相手が来られなくなった。前の4-2-3-1から派生している。ビルドアップを1から10までつなぐのでなく、(前線の)3枚で(相手の最終ラインの)4枚を抑えたら必ずミスマッチが起きるので、そのミスマッチをトップ下の鎌田選手を中心になくすのが手っ取り早い。それが今日は合理的にできた」

-1トップのタイプ。前田のスタイルが機能した

久保 「W杯では、相手もプレッシャーがある。その中であのプレスが来ると、蹴り(ロングボール)の一辺倒になる。そういう意味で、前半からの前田選手は、すごくいいオプションになる。僕としては彼に助けられた。彼が追ってくれることで、僕がセンターバックのパスコースを限定できた。彼がいるのといないのと違うと感じた」