サッカー23年女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会に臨むなでしこジャパン(女子日本代表、FIFAランキング11位)は今日22日、1次リーグC組初戦でザンビア(同77位)と戦う。21日には前日会見が行われ、池田太監督(52)は勝利を誓った。同組のライバル、スペインは一足先にコスタリカを相手に白星発進しており、日本も負けられない。

なでしこジャパンがようやく世間の「過小評価」を覆すときがきた。国内ではWEリーグの観客動員が伸び悩み、NHKが今大会のテレビ放送を行うと決めたのも、チームがニュージーランドへ乗り込む直前。それは女子サッカー人気の低迷ぶりと、なでしこへの期待の薄さを示していた。

しかし現在のなでしこの選手たちは、技術だけならW杯を制した11年のチームに勝るとも劣らない「才能の宝庫」だ。あのレジェンド澤穂希さんも「(今の子の方が)みなさん上手だと思います」と話している。

今大会ではその実力を100%発揮するためにも初戦が大事になってくる。親善試合でFIFAランク2位ドイツに勝利したザンビアのB・バンダ、クンダナンジらのスピードには要注意だ。右ウイングバック清水は「恐ろしいなと思うレベルのスピード」と警戒を強める。

そこで池田監督が期待をかけて送り出すのが3バックの右での起用が濃厚な20歳の新星、石川。身長172センチと上背があり、スピードでも負けない。この3バックに両ウイングバックを加えた5バック気味の守りでザンビアの攻撃陣をシャットアウトする。

ボールを奪えれば、なでしこには日本が誇るMF、長谷川と長野がいる。池田監督は「何よりもやってきたことに自信を持って戦ってもらいたい。思い切ったプレー、勇敢なプレーを求めていきたい」。長谷川と長野が小気味よくパスを通し、前線の田中、藤野、宮沢らが縦横無尽に走り回る。その姿は必ず、今後の女子サッカー人気の復活につながっていくはずだ。

地元ニュージーランドが1-0でW杯優勝経験のあるノルウェーを下した開幕戦を見た池田監督は「感動した。サッカーのアグレッシブさ、自信を持って戦う勇気、強いエネルギーを感じた。スポーツが、サッカーが人の心を動かすことを体感した」という。なでしこジャパンにも、その力は間違いなくある。