2011年女子W杯ドイツ大会優勝メンバーのDF岩清水梓(36=日テレ東京V)が、当時センターバックでコンビを組んだ現なでしこジャパンのDF熊谷紗希主将(32=ローマ)にエールを送った。岩清水は5日の決勝トーナメント1回戦ノルウェー戦で勝利のカギを握るのは守備を統率する熊谷だと予想。ラインコントロールを含め、そのキャプテンシーに期待した。

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東京・稲城のヴェルディグラウンドで取材に応じた岩清水は1次リーグを3連勝で突破したなでしこジャパンをたたえた。「(第3戦の)スペインも決勝トーナメントが決まっている状況で、心のどこかに余裕はあったと思う。100%のスペインではないのかなという印象もある」。4-0と大勝したスペイン戦から気持ちを切り替える必要性を訴え「ここからが本当のスタート」と強調した。

W杯に臨む以前のなでしこはDFがよりハイラインで、高い位置でボールを奪えず、DF裏に一気に縦パスを入れられて失点するというパターンが多かった。それが今大会では3バック+両ウイングバックの「5バック」と、その前の4人がしっかりブロックをつくって守り、3試合連続無失点。スペイン戦では70%近くボールを保持されながら圧勝と、まさに池田監督の作戦勝ちだった。

だが難しいのが次のノルウェー戦だという。岩清水は「スペイン戦ほど割り切った守備にならないのでは。今度はボールを持てる時間もあるし、持たされることもある。だから攻めている時に裏のスペースが空く」と説明。キープレーヤーには「最後のスペースのところ。守備の管理もそうだし、攻撃時にバランスを考えたり、彼女のやるべき仕事は多い」と熊谷を挙げた。

優勝した11年ドイツ大会ではセンターバックでコンビを組んだ。岩清水は「当時は私とか(サイドバックの)近賀(ゆかり)さんがラインをコントロールして。熊谷は対人に強い人間だったから、統率してる印象はない(笑い)」。その上で「あの時から経験をたくさんして、チーム最年長で慕われている。頑張ってほしい」とエールを送った。

岩清水は11年大会決勝の米国戦で間一髪相手の得点機を阻止するスライディングで退場処分を受けた。その必死のプレーが優勝することで報われた。「どんな試合をしても残るのは結果。だから結果を残してほしい」と自分たち以来の世界一へ期待を込めた。