なでしこの右ウイングバック、DF清水梨紗(27)が値千金の勝ち越しゴールを決めた。1-1の後半5分に敵陣深くまで攻め込むと、ゴール前でプレッシャーのかかった相手選手がたまらず横パス。これを右から走り込んでかっさらうと、右足で押し込んだ。仲間にもみくちゃにされながら左腕を突き上げた。

「(シュートが)うまく入ってくれて良かった。前半から左サイドから良いボールがたくさん来ていたので、いつか自分のところに来ると思って走ってました」と笑顔を見せた。

見た目はかれんできゃしゃだが、1試合を通じて右サイドを上下動する馬力と真面目さが持ち味だ。日テレ・メニーナに入団した時の監督、寺谷真弓さん(現東京Vアカデミーダイレクター)は「技術的には全然高くなかった。でもスピードがあったし、献身的に頑張って走ったり真面目にやれる選手だったので」とチームに加え、FWからサイドバックにコンバート。この日の得点も手を抜かずに相手ゴール前に入っていく献身性がもたらしたものだった。

昨季からイングランドのウェストハム移籍し、外国人相手に当たり負けしなくなった。フィジカルを前面に押し出すノルウェー相手に、きっちりと対応。攻守にわたって勝利に貢献した。次はスウェーデン-米国の勝者との準々決勝。「このチームは本当に明るいし、全員が同じ方向を向いている。これからもどんどん勝ち上がっていきたい」と誓った。【千葉修宏】