なでしこジャパン(世界ランキング11位)は11日に行われる23年女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会準々決勝でスウェーデン(同3位)と対戦する。

東京五輪の準々決勝では1-3で敗れた。各ポジションには東京五輪時と同じ世界レベルの選手がそろう。決勝トーナメント1回戦の米国戦で好セーブを連発したGKムソビッチは東京五輪時は控えで、所属のチェルシーでも出番が少ない。なでしこの選手たちも対戦経験がほとんどなく、不気味な存在になる。

スウェーデンのGKムソビッチは未知で不気味な存在になる。決勝トーナメント1回戦で米国のロッドマンやモーガンらのシュートをことごとくはじき返した守護神。東京五輪の準々決勝で敗れた時はベンチ入りしていない。所属のチェルシーではドイツ代表GKベルガーに次ぐ存在で、出場試合数が少ない。イングランドでプレーする長谷川唯や清水梨紗、林穂之香でさえも「生のデータ」をほとんど持っていない。

米国戦では3倍近いシュート21本を浴びながら好セーブを連発。史上初の3連覇を狙った強豪を倒す立役者になった。昨季女子欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝で決勝点を挙げたバルセロナ所属のロルフォから「彼女を形容する言葉がない。本当に信じられない。ワールドクラスのセーブが1度だけじゃなくて10回はあった」と絶賛された。

チーム平均身長171・6センチのスウェーデンの中でもさらに大柄な178センチの長身。恵まれた体格に加え、負けん気の強さもある。米国戦後の記者会見でブラジル人記者から「(同じボスニア系の)ズラタン・イブラヒモビッチを知っているか」との質問を受けると、イラッとした表情を浮かべ、首をかしげた。そして「スウェーデンでは、誰でもズラタンのことを知っている」とぶっきらぼうに答えた。ハートの強さも攻めの守りにつながっているようだ。

東京五輪の借りを返すためには、今大会5得点の宮沢ひなたらがチームの支柱ともいえるムソビッチを打ち破ってゴールを挙げるしかない。

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