サッカー日本代表(FIFAランキング19位)がカナダ代表(同44位)を4-1で粉砕した。国際Aマッチ5連勝を、日本史上初の5戦連続4得点以上の記録で飾った。

MF田中碧(25=デュッセルドルフ)の2得点やFW中村敬斗(23=スタッド・ランス)の2戦連発で「史上最強」の呼び声高い森保ジャパンが躍動。直近5戦22発の爆発力を5年ぶりの新潟開催で見せつけた。

スターティングメンバーは▼GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)▼DF毎熊晟矢(セレッソ大阪)町田浩樹(サンジロワーズ)冨安健洋(アーセナル)中山雄太(ハダースフィルド)▼MF遠藤航(リバプール)南野拓実(モナコ)田中▼FW伊東純也(スタッド・ランス)中村、浅野拓磨(ボーフム)。昨冬の22年FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会まで10番を背負った南野は約10カ月ぶりの復帰を果たし、背番号8で4-1-4-1陣形の2列目の中央右へ入った。

南野は、昨冬の決勝トーナメント1回戦クロアチア戦でPK戦の1番手に名乗りを上げ、外した。「人生最悪の日」から312日。以来の代表戦に8月のフランスリーグ月間MVPを引っ提げて「帰ってこられて良かった」と燃えていた。

開始早々、南野が一気にスイッチを入れた。裏への抜け出しからの波状攻撃で前半2分、田中がミドルシュートを突き刺す。同じインサイドハーフ位置の左に並ぶ田中が攻め上がり、ペナルティーアーク近くから打つと、相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。瞬く間に先制した。

9月の欧州遠征は派手に2連勝。敵地でW杯優勝2度のドイツを、まずは4-1で返り討ちにした。02年W杯日韓大会以来21年ぶりの対戦となったトルコも4-2で一蹴。実力国から計8点の爆発力を欧州で示した後の今月シリーズ、体調不良で不参加のMF三笘薫(ブライトン)に代わる左ウイングには、中村が森保一監督から指名された。

トルコ戦で2発の23歳は2戦連発で応えた。前半20分台に頭、直接FKで惜しいシュートを試みて期待感を高めると、オウンゴールで2-0となっていた42分に右足でチーム3点目。浅野の好守からのアシストを難なく押し込んだ。

守っては前半22分にGK大迫が「半端ない」PKストップ。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)介入の末、自ら献上したキックを右足で止め、同点危機を防いだ。プロ初のPKセーブを代表戦でやってのけた。

左サイドバックの中山は1年1カ月ぶりの復帰。右アキレス腱の断裂でW杯を逃していたが、カムバックを遂げた。26年W杯北中米大会(米国、カナダ、メキシコ)のアジア2次予選が早くも始まる中、その開催国の1つで、既に出場を決めているカナダを日本が攻め倒した。後半も始まってすぐの4分に、田中が4点目。伊東からの柔らかすぎるパスで最終ラインの裏を突き、右足で蹴り込んだ。

中村が左足首を踏まれて負傷退場した後、森保監督は旗手や古橋、川辺を投入。谷口、伊藤、橋岡も入れて6人の交代枠を使い切った。スペインリーグで日本人初の月間MVP(9月)に輝いたMF久保建英(レアル・ソシエダード)は、合流が直近だったこともあってベンチスタートのまま起用は見送られたが、それでもチームは圧勝。終了間際に1点こそ返されたが、層の厚さを示して5連勝、うち4戦連続得点を含む5戦22発と、驚異の得点力を見せつけた。昨年11月に1-2で敗れた相手に倍返し。場内の3万7000人超、テレビ越しのサポーターを満足させた。

生中継では森保監督の円陣の言葉も伝えられた。「お疲れ様です」と呼びかけた後に「難しい状況だったり、初めて組むメンバーだったりという中、与えられた時間の中でやるべきことやってくれて、トライ、チャレンジしてくれて、チームのコンセプトの中でやってくれた。チームとしてうまくいかなかったところと、アグレッシブにいくところ、我慢強くやっていくところ、引き続き、やっていきましょう。ポジション的にうまくいかないところあったかもしれないけど、最後は締めて。明日から、また次の試合に向けて切り替えていきましょう。お疲れ様でした」とイレブンをねぎらった。

2戦連発、この日は2得点の田中は「1点目は狙い通り股を通せた。2点目は純也君が時間をつくってくれて、いいパスをくれたので走り込んで良かったなと。(5戦22発に)ゴールを取るところに関して言えば、すごく質は高いと思いますし、ただ、もちろんまだまだ決めきらなきゃいけないとこもそうですし、よりチャンスを作らなきゃいけないところ、ボール保持というところ、そして奪うところっていうのは、もっともっとやっていかなきゃいけないのかなと思います」

17日はチュニジアとノエビアスタジアム神戸で対戦。11月のW杯2次予選、来年1月開幕のアジア杯カタール大会へ進んでいく。

 

◆過去の日本のカナダ戦 国際Aマッチ通算3試合で2勝1敗。初対戦は新潟で開催された01年5月31日のコンフェデ杯でMF小野伸二のゴールなどで3-0と快勝した。2戦目はザッケローニ監督時代の13年3月22日の国際親善試合で、FW岡崎慎司の得点などで2-1で競り勝った。直近の対戦はW杯カタール大会直前の22年11月17日、UAEで行われた国際親善試合。日本は先制しながら1-2で敗戦。森保監督体制58試合目で初めて逆転負けを喫した。

【日本代表】森保ジャパン4得点でカナダに圧勝 田中碧2発!中村敬斗弾!GK大迫PK止めた!/ライブ詳細