<親善試合スウェーデン招待:日本1-0スウェーデン>◇20日(日本時間21日)◇イエーテボリ

 なでしこジャパンGK福元美穂(28=岡山湯郷)が再三の好セーブを見せ、完封勝利を飾った。直前の千葉合宿でDFリーダー岩清水梓(25=日テレ)負傷離脱の影響もあり、18日の米国戦は1-4の大敗。中1日で迎えた身体能力の高いスウェーデン相手に守備範囲の広さと、抜群の反応で守りきった。佐々木則夫監督(54)もDF陣の踏ん張りを一番の収穫とした。

 身長165センチGK福元が、長身がズラリとそろうスウェーデンの破壊力ある攻撃陣を相手に無失点に抑えた。これで出場した試合は6連勝。うち5試合で完封した。

 この試合でも、後半はスウェーデンの猛攻にさらされた。相手DFトゥネブロの無回転ロングシュートは横っ跳びで両手でパンチングし、FWシェリンのシュートは右手1本ではじき、終了間際のDFバイルンドが放った決定的なシュートは左手1本で止めた。好セーブ連発がなければ大量失点もあり得るほどの、福元の働きは大きかった。左サイドに放り込まれたロングボールには、ペナルティーエリアを大きく飛び出してクリアし、守備範囲の広さも見せた。パワーを前面にぐいぐいロングボールを蹴り込んでくる欧米相手に、判断力のいいプレーは頼もしく映るほど。

 佐々木監督も「福ちゃんは小柄ながら、相手の頭から拳1つ抜け出していた」と、安定したプレーぶりに満足した様子。この日の福元の活躍により、GK海堀との正GK争いは、五輪本番へ競争は激化の様相を呈してきた。

 18日の米国戦で1-4と惨敗した守備陣も、何とか無失点に切り抜けた。米国戦後の宿舎では、選手だけでVTRを見ながら反省会を行った。福元は「ゲームの入り方が悪かったので、立ち上がりとラインコントロールをしっかりやろうとセンターバックと話していた通り、集中してやれた」と言った。

 左サイドバックの鮫島は「違うメンバーでも出来た部分は大きい。個人的には1対1の場面でピンチになっていたことを今回は防げた」と手応えをつかみ、右サイドバックの有吉も「しっかりラインコントロールをすれば、裏に相手が出てくる対応はできていた」と、収穫を口にした。来月9日からの国内合宿にはDF岩清水も復帰する予定。

 リズムを取り戻しはじめた攻撃面と同様、DFラインも福元の活躍に引っ張られるように、粘り強くしのぐしぶとさが見えてきた。【鎌田直秀】